11.下痢やゆるい便は早めのケアを
意外と便が柔らかすぎたり、水様便が続いたりすることがあります。
大切な時間の前に、また交通機関で移動中におなかがしぶり便意をもよおすことがあります。
このような便の状態というのは実に困ります。
不意にお腹に力が入ったり、笑ったりするだけで下着を汚す時があります。
一日中、肛門に意識を集中するのはとても辛いものです。
いろいろなタイプがありますが、相談や体験をもとに分けると二つになります。
1.1年中続いている人。
冷たい飲み物を好む人、砂糖で作った甘いものを好む人、毎朝牛乳を飲んでいる人、添加物の多いインスタントな食品を摂る人に多いような感じがします。
2.年に時々かかってしまう人。
ストレスをたくさん持った時、外食続きだった時、薬物治療を続けた時に多い感じがします。
過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎など医療の専門的なことではなく、体験から積み上げたセルフケアについて記述します。
こういう時、多くの人は「あまり気にしない」「ストレスがあるかも」「薬なんて効かない」「そのうち良くなる」と片付けています。
それはそれでいいのですが、腸の機能からいうと万全の状態じゃありません。
腸はいつどんな時でも、強い抵抗力がないと病気をはねのけることはできません。
また、弱い腸が病気の入り口になってはいけません。
常在菌の力がピンチを救う
抵抗力が強いということは、常在菌数が多く発酵パワーがあることなのです。
ゆるい便や水様便が続くこととは常在菌パワーが乏しいのです。
腸内が発酵環境になっていなく、常在菌が作る「短鎖脂肪酸」が少ないのです。
大腸内で「水」と「塩分」と「短鎖脂肪酸」がトリオで血中に吸い込まれ、便がだんだん固形になってゆくのです。「短鎖脂肪酸」が少ないと水を引き込めないのです。
「短鎖脂肪酸」というのは水先案内人の役割をする腸内細菌が作る物質なのです。
日常の食事では、センイやオリゴ糖や難消化でんぷんや発酵の仕掛けになる生菌をバランスよく摂ることで、腸内に発酵という化学反応が起きています。
発酵の強さと弱さの違いは、腸の強さだったり、便の太さだったり、病気にかかりにくかったり、顔色が良かったりなどその差となって現れます。
下痢止めを選ぶのではなく、常在菌を育てて良く体を休めることです。
まずは情報を確かめてセルフケアで体験を積み上げることで、自然と病気になりにくい体はでき上がってゆきます。
治療が必要な器質的な病気でないのであれば、下痢止めや抗生物質を飲み続けることは常在菌を減少させることになりますので注意が必要です。